中野にある梅若能楽堂で
能と能面を見てきました
能について少し調べてから書こうと思ったら
かいつまんで説明するのは難しい世界だったので、
素人の率直な感想だけ書きましょ
見に行ったのは、月に一回行われている定式能で
会場では、島熊山能面祭といって、
一般の人が彫って応募した能面がずらっと展示してありました
能面に興味があるので、これも楽しみでした
全国から200点近い応募があって、今回はその中から選ばれたお面を
実際に付けて舞うそうで、
演目の「養老」「野宮」のお面が課題部門
退職後の趣味にされてる方が多いようでしたが
いい趣味ですよね。。。
しかも、作った面を、付けて舞ってくださる場があるって、
贅沢ですよね。。。
舞ってもらえた方は、どれだけ嬉しいでしょう
ちなみに、面を作る→オモテを打つ というそうです
すごく長くなりそうなので、
まず、もう見れないでしょう、と言われた特別なお面の写真からいきます
人間国宝の梅若玄祥先生が梅若家から特別にご持参くださった4つの面
拝見し、写真も撮らせていただけたのは、奇跡的だと
(ここに掲載許可もらいました)
それぞれ400年くらい前の面
面には、陰と陽があって、
左右で見え方が違うと。
能舞台は、左から出て来て、左に帰るので、
出た来た時には右の顔が見え、帰りには左の顔が見える
ので
演目に合わせて、左右の表情を作ると。
どの角度から見ても
惹き付けられて、見続けてしまう。。。
主に檜で、胡粉と顔料で色づけ
美術館などで、こうした古い逸品を見る機会はあるかもしれませんが、
面は使われてこそ生きて、
使われてないお面は、死に面というそうです
「山路さんのバッグもそうでしょ
飾ってあるだけじゃ意味がなく、
実際に使われて馴染んでこそ生きるでしょ」
という山本先生の言葉が、刺さった。。
この日も使っていただいておりました。。。
「今日はたまたま持ってたんだけどね(笑)」
ですと♪
今回特別に拝見できた貴重な4つの面は、今も使われていて、
そうしたお面は、各家に入ると、なかなか出てこず、
こうして一般人が見る機会は、まずないそうです
金額にすると、4つで億かも?
浮世絵は、左右の黒目の位置をずらして、左右の印象を変える時がありますが
面は黒目の位置が一緒だな、、と思ったら、
位置は同じでも、穴を掘る角度を変えて、印象を変えるんだそう
こんなことなら
一眼レフ持ってくればよかった。。と心から後悔です。。。
まさかこんなお面を拝めるなんて。
名工が作った素晴らしい面が、使っていい面とは限らず、
どんな場面でも使いやすい面(オモテ)がいい面なんだと
梅若先生がおっしゃってました
どんな場面でもいい表情が出せる、表情に幅のある面がいい面なんでしょうか
アルカイックスマイルのように、どうとでも取れる表情とは、
またちょっと違うような。。。
深い
興味があるので、つい長くなってしまいます
驚いたのは、
面を付けて舞ってるとき、
目に空いてる穴で、見てるわけじゃないそうです
穴から目で見ると、演者の顔になってしまい、
面(オモテ)の顔にならないそうで、
面は顔の少し上に付けていて、鼻に空いてる穴から、床の位置だけ確認するそうです
全く見えない面もあると。
つまり、お客さんの顔も見えてないってことですね
いかに少ない動きで表現するか、というのが能で、動きが少ない上に、
お坊さんの読経と同じトーンの心地いいうた、
イヨ~~~っ ポン! という小気味いい鼓の合いの手、
舞台は、見ながら、気付くと寝てまして。。
ハっと起きると、右に移動してて、
あ、動いたんだ、、と見てるとまた動かず、、またウトウト
ハっと起きると、いなくなってて、
ああ、ハケたんだ、、
という残念な素人の鑑賞
言葉が古くて、分からないしな~というのは言い訳
前方に座ってらした外人さんは、ずっと食い入るように見ておられました
寝てるな~と思われたな~という申し訳ない気持ちは、
見えてなかったんだ、と知ったことで若干和らぎました
止まった状態が多いので、
若い演者さんが緊張で震えてるのはよく分かりました
動く方が、楽でしょうね。。。
今回は1つの演目が1時間半~2時間
特に後半の「野宮」という演目は、動きが少なかったのですが、
最後に、舞台の前方中央に置いてあった鳥居の柱を握って
正面を見つめたまま、鳥居の前に一歩足を出した時には
え?こっち(ちょうど鳥居の正面辺りに座ってました)来るの?
と
その顔と佇まいに、魂を掴まれてしまいました。。
一歩だけで、すっと引っ込めて、去っていったのですが
2時間ウトウトだったのに、その数分の演技で、
また野宮見てみよう と思ったのでした
魔力だわ。。。
微妙な光と、顔の表情の一瞬の魔力なので、
DVDじゃダメっぽいですね
ド素人の能鑑賞
その2もある気がするので、
行きましたらまた
リタイア後の趣味は
能面作りかな
使った面と使ってない面、わかる気がしたのは、気のせいでしょうか。。
人の蒸気が通過して、木や顔料が変化してるんですかね。。
そんなこんなで
たまにはバッグ以外の風も
ではまた近々!
次は垂れ幕バッグ続報です♪
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